膀胱炎にはどのような症状がありますか?
膀胱炎は女性がなりやすい疾患です。頻尿・排尿時痛・血尿が3大症状です。
トイレに行っても、またすぐに行きたくなる。行っても尿が少ししか出ない、排尿の最後がキューっといたい感じがする、尿の色がおかしい、尿のにおいが変だ、といった症状もあります。
膀胱炎の診断はどのようにしますか?
膀胱炎の診断は尿検査(尿テステープ)と尿沈渣(尿を遠心して細胞成分を顕微鏡でチェックする検査)でおこないます。
症状や尿テステープで潜血が陽性というだけでは、膀胱炎でない場合もありますので、注意が必要です。尿沈渣で尿の中に白血球や細菌を認めた場合には、尿培養検査を行います。尿培養検査で、膀胱炎の起因菌と薬剤感受性がわかります。通常、膀胱炎は大腸菌が原因菌であることが多いですが、近年の抗生物質の乱用で耐性菌による細菌感染が増えています。初回治療が奏功しない場合は、尿培養の結果を確認して、有効な抗生剤を選択する必要があります。尿培養は中間尿(尿の出ている途中を採取する)でとります。尿培養検査は抗生物質を内服する前に採取する必要があります。当院ではできる限り正確に診断することを心がけています。
■尿沈渣
多量の白血球をみとめる。(通常は1視野に5個以下)
そこが知りたい尿沈渣検査(医歯薬出版社より引用)
■尿培養検査
膀胱炎の原因が同じ大腸菌でも、薬剤感受性が異ります。1は検査したすべての薬剤に感受性があります(その抗生剤が効くということ)。2は膀胱炎治療によく使用されるクラビット(レボフロキサシン)に耐性を持つ大腸菌です。クラビットでは十分に効かない可能性があります。3はさらに抗生剤が効かなくなり、ニューキノロン、ペニシリン系にも耐性を持つ大腸菌です。このような菌に対してはセフェム系での治療が必要です。
■膀胱炎の治療
急性膀胱炎と診断した場合には抗生物質の治療を行います。通常はニューキノロン系、セフェム系といわれる抗生物質を内服します。ニューキノロン系の抗生物質は一日一回 3−4日に内服で膀胱炎は治癒します。
セフェム系の抗生物質を内服するときは一日3回 7日間服用します。
内服終了後は尿所見が改善しているか、尿沈渣で確認します。
症状が良くならない場合には、尿培養検査の結果を確認して治療法が適切かどうか判断します。
急性膀胱炎は繰り返すかたは、専門医でよく調べることをお勧めします。膀胱炎を繰り返す方は再発予防することが大切です。
再発の予防方法は
- 水分を十分にとること
- 排尿を我慢しないこと
- 便秘をしないようにすること
- 排尿後は前から後ろに向かって拭くこと
- 性交渉のあとにすぐに排尿すること
- 冷え症に注意して、体を冷やさないこと
などがあります。
日常生活を見直して、膀胱炎にならないように心がけましょう。